e-お菓子ねっとのあらまし
沿革
流通業界では、昭和60年代以降、スーパーやCVSの台頭により、店舗数では大半を占めていた小規模店舗が急速に減少しました。これにより多頻度小口配送の増加や、消費の多様化というマーケット構造の変化がおこり、それへの適切な対応にあたるため、流通コストの低減や情報技術の進化・活用が課題となっておりました。特に、ECR(「Efficient Consumer Response」の略で「消費者に対する効率的な対応」を意味する。)の視点より、製造・物流・販売などの各プロセスが個別に顧客対応していては、消費者にとっての付加価値を最大化できないことから、サプライチェーン全体の効率化を図るため様々な情報技術の活用が指摘されていました。こうした情勢を受け、全日本菓子協会(以下「ANKA」という。)、及び全国菓子卸商業組合連合会(以下「JCWA」という。)は、発注データから請求・支払データのオンライン標準化を中心に、流通コードセンター等関係機関との連携の下で検討を進めてきました。
その結果、昭和62年8月に、富士通エフ・アイ・ピー(現 富士通Japan)がJCWA及びANKAの会員企業に対しデータ交換サービスを提供する一方、JCWAとANKA双方から組織された「菓子業界VANシステム運営委員会」がこのサービスへの指導を行うとの体制が構築され、昭和63年1月から菓子VAN(菓子業界データ交換システム)の稼働を開始しました。
この菓子VANは、コンピュータおよびファクシミリをサポートとする受発注オンラインネットワークであり、低コストで段階的なシステム導入を可能とすることで、中小規模の企業の参加を容易にし、平成11年には卸80社、メーカー630社の参加を得るまで拡大しました。
一方、消費者の嗜好の多様化等により、商品の改廃頻度が高まり、市場の変化を先取りし対応していく必要性が求められてきたことから、従来型の受発注業務の更なる効率化のみならず、インターネットを活用した21世紀型菓子業界取引ネットワーク(EDIサービス)として生まれ変わるべく、「e-お菓子ねっと」の立ち上げや新サービス基盤の導入などを行い、平成12年10月より新たなデータ交換サービスを開始しました。
このサービスは、当初、EDI、WEB-EDI、FAX配信、画像付き商品情報データベースの4つのサービスから構成され、7つのデータ種から成り立っていましたが、令和5年現在では、データ種も改廃含め11種まで増え、年間のデータ件数も3.5億件となっています。
*画像付き商品情報データベースは現在サービス提供を終了しております。
運営体制
「e-お菓子ねっと」は、ご利用頂く会員に対してデータ交換サービスが円滑かつ適切に提供されるよう関係業務を行う任意組織です。具体的には、会員との間で利用契約を締結してデータ交換サービスの提供を行う富士通Japan(株)に対し、「e-お菓子ねっと」が助言や指導等を行う仕組みとなっています。
「e-お菓子ねっと」の運営にあたっては、JCWA、ANKA双方の団体から推薦され構成される「製販代表会議」が設置され、この下に実務者からなる「運営会議」、その下に専門委員会として「企画運営委員会」及び「システム開発委員会」を常設し対応するとともに、会員の拡大やシステム開発に係る事業計画及び予算関係については、製販代表会議の承認を得て実施しています。
主な事業
- e-お菓子ねっとシステムの運用、管理及び機能拡大
- e-お菓子ねっとシステムの加入促進
- e-お菓子ねっとシステム発展のための調査・研究・開発
- 関係官庁並びに関係団体と連絡及び折衝
- その他e-お菓子ねっとの目的を達成するために必要な事項
※ 「e-お菓子ねっとシステム」とは、e-お菓子ねっとの会員企業に対しデータ交換サービスを提供する仕組み全体(サービス基盤・アプリケーション等)を指します。
「e-お菓子ねっとシステム」の体制