セイカ食品株式会社

セイカ食品株式会社

1903年(明治36年)に創業、120年の歴史をもつセイカ食品株式会社。菓子問屋として創業、その後『ボンタンアメ』をはじめとする菓子・アイスクリーム、冷凍食品の製造・卸売業を展開されています。加えて自社で物流事業を展開され、事業の発展に邁進されています。2019年には創業116年・株式会社設立100年の節目を迎えられました。卸売業および菓子メーカー双方のお立場で、《e-お菓子ねっと》導入後の変化についてお話を伺いました。(2023.7.20)

 

卸売業、製造販売、物流事業を展開「食と健康の提供を通じた満足をお届けしたい」

インタビューにお答えいただいたのは、セイカ食品株式会社の玉川浩一郎社長と、総務部情報システム室の宮脇猛氏、益山幸二氏。卸売業とメーカー双方のお立場からお話を伺いました。

「セイカ食品株式会社」のご紹介

代表取締役社長 玉川 浩一郎氏
代表取締役社長 玉川 浩一郎氏

弊社は、1903年に菓子問屋として創業、現在では、菓子・アイスクリーム・冷凍食品の製造・卸売業を軸に、スポーツ事業介護事業などグループと連携して生活支援企業グループとして展開しています。

これまで同様、「真面目な製造、真面目な販売、真面目な経営」の社是を守りつつ、より多くのお客様に食と健康の提供を通じた満足をお届けしたいと考えています。

セイカ食品の商品
セイカ食品の商品

1925年に『ボンタンアメ』の製造販売を開始。1931年『兵六餅』、1957年アイスクリーム、1979年に冷凍食品の製造・販売を開始しました。代表商品の『ボンタンアメ』はまもなく発売から100年を迎えます。またアイスクリームの『南国白くま』は日本全国の皆様に親しまれています。

卸の発注業務の改善のために《e-お菓子ねっと》導入を即決

《e-お菓子ねっと》導入の経緯や理由

弊社は、菓子卸売業としてメーカー様約350社と6,000アイテム以上を取り扱っております。受発注オンラインサービスは、1990年から菓子流通VANを利用させて頂いております。

総務部情報システム室係長 宮脇 猛 氏
総務部情報システム室係長 宮脇 猛 氏

《e-お菓子ねっと》導入前の発注作業は、発注担当者が朝一から発注書を手書きしてFAXにて仕入先様受注センターに送信、または直接電話にて注文をしていました。FAX番号は、事前登録しているので番号違いは少ないのですが、送信エラーが頻繁に起こり、再送を余儀なくされ、午前中の注文時間に間に合わないことがよくありました。

また再送するにしても人手が掛かりその作業に多大な人力を要していました。加えて電話での直接注文では、発注数、入荷日のミスも日常茶飯事であり、その度にお得意様にご迷惑をお掛けしておりました。この問題を一気に解決させる方法が《e-お菓子ねっと》でしたので、受発注システムの開始発表と同時に飛びつきました。

データ種の活用で作業の効率化、省力化を実現

卸売業としての《e-お菓子ねっと》データ種の活用について

総務部情報システム室 益山 幸二氏
総務部情報システム室 益山 幸二氏

〈発注データ〉

発注件数全体の9割超が《e-お菓子ねっと》の導入で大幅な作業効率化を実現しました。
発注業務は、在庫から発注数を確定し、午前中に全仕入先様へ〈発注データ〉で発注します。数量、入荷日等の人為的ミスの削減とFAX・電話による発注作業の激減により発注業務の効率化、省力化を実現できました。

またコンピュータに入力した発注データを活用して発注一覧表・入荷予定一覧表を効率的に作成することができるようになりました。発注件数全体の1割弱は《e-お菓子ねっと》未加入メーカー様への発注ですが、〈発注データ〉を印刷した発注書をFAXで送信しています。これは、《e-お菓子ねっと》導入前と同様の人力による発注作業です。すべての仕入先様が《e-お菓子ねっと》に加入して頂ければもっと効率化&省力化が図れますので、何とかこの1割の仕入先様に加入して頂きたいです。

〈入庫予定データ〉

弊社物流システムの入荷実績とのチェックに〈入庫予定データ〉を使用し、チェックOKの場合に買掛計上をしています。定型の案内文と弊社取引先様コード一覧を作成し、個別に各メーカー様に〈入庫予定データ〉の送信を依頼していますが、ご対応頂けているメーカー様は一部にとどまっています。〈入庫予定データ〉では、入庫予定数から作業量を予測することができます。全てのメーカー様からご提供頂ければ、人員配置まで対応できるようになると期待しています。

弊社では、入庫時に日割れ商品は、別々のカゴ・パレットに積んでいます。それをハンディでJANCD・ITFCD等を読み込むと日付入力欄に移動します。日付入力をしないと次の操作ができないようなっています。

また次期WMS(切替中)では、文字を読み取れるハンディを採用して日付を読み込むようにしています。

〈出荷報告データ〉〈請求データ〉

弊社では、〈出荷報告データ〉は、売上計上、買掛計上にそのまま使用しています。
〈請求データ〉は、弊社買掛システムで、買掛データとのマッチングに使用しています。アンマッチが生じた場合は明細単位で確認できるので、内容に基づいて調査を行います。仕入内容と請求内容のマッチングの時間短縮に貢献しています。



卸・メーカーに於いて、メリットしかないと確信

メーカーとしての《e-お菓子ねっと》導入の経緯とメリットについて

総務部情報システム室 益山氏と宮脇氏
総務部情報システム室 益山氏(左)と宮脇氏(右)

卸としては菓子流通VANから導入していましたが、メーカーとしては、取扱い商品はそれほど多くなかったこともあり、卸側としての発注が一旦落ち着いてからと思っていました。実際には、全国の卸様の《e-お菓子ねっと》の普及が思ったより早く、《e-お菓子ねっと》で発注したいとの要望が増えたためにメーカーとしても導入しました。
現在、全国の得意先の約5割は《e-お菓子ねっと》での受注となります。残りの5割の取引先様とは主に電話やFAXでの受注ですが、取引量は多くはありません。今後は、更なる効率化を目指してできるだけ発注データでいただけるよう、未加入の卸売業様に働きかけていきます。

《e-お菓子ねっと》の導入によって、メーカーとしても業務効率化に役立っています。受注時の省力化やデータの活用により業務の効率化が図れています。《e-お菓子ねっと》を卸、メーカーの双方が利用することで、業界全体の業務効率化がなされ、卸、メーカーに於いてメリットしかないと確信しています。

“しわ寄せ”でなく“しわを作らない”仕組みが重要

「物流の2024年問題」に対するお考え

代表取締役社長 玉川 浩一郎氏
代表取締役社長 玉川 浩一郎氏

「物流の2024年問題」に対しては、グループの物流(運送)会社と連携し、自社の物流事業の効率化やガイドラインに準じたレギュレーションの見直しを行います。例えば、仕入先様の要望に対応して、荷下ろし作業の効率化を目的として、商品入庫時に使用する備品(パレット・カゴ台車・キャスターなど)の記載欄を設けるなど発注明細の変更を予定しています。

物流問題に限ったことではありませんが、“部分最適”をつなげても“全体最適”にはなりません。問題の本質を解決するためには、自社の最適だけを追うのではなく、仕入先、売り先、エリア全体、業界全体を俯瞰して広い視野で最適を目指すことが大切です。どこかにしわを寄せるのでなく、全体にしわを作らない仕組みが重要となります。これが業界全体の発展につながると考えております。

今後のビジョンについて

製造面では、まずは、安心、安全を最優先しつつ、新たな製造技術の構築に最優先に取り組みます。更に、地元産、九州産の原料・食材の魅力を伝える新製品の開発に邁進いたします。

卸流通面では、商品の魅力をお客様にきちんとお伝えするコミュニケーション技術の更なる練磨に努めます。また、より効率的な物流技術の研究に継続して取り組んでまいります。

企業情報

セイカ食品株式会社ロゴ

セイカ食品株式会社

  • 住所 鹿児島県鹿児島市西別府町3200-7
    電話 099-284-8112
    資本金 4,800万円