株式会社外林

株式会社外林

菓子卸売会社として九州から北海道まで事業を展開する株式会社外林。時代の流れをいち早く読み、コンピューターシステムへの投資や《e-お菓子ねっと》の活用に積極的に取り組んできました。設立50周年を迎え、現在は菓子卸売業を中心に、グループ会社を通じて菓子の製造・加工や駄菓子専門店の小売事業にも取り組んでいます。メーカーや小売の立場を自ら経験し、そこで得た気づきを卸売業の機能向上や取引先への提案に生かしています。
「第二の創業期」として新たな挑戦を続ける株式会社外林に、《e-お菓子ねっと》による業務効率化、V2への移行、そして今後の可能性について伺いました。(2026.8.28)

 

卸売業の枠を越え、メーカー様・小売の視点を卸機能に生かす

インタビューにお答えいただいたのは、株式会社外林の取締役 執行役員システム本部長 吉原慎二氏とシステム本部企画係長の佐野公章氏。

メーカー・小売を自ら経験して得た気づき

株式会社外林の取締役 執行役員システム本部長 吉原慎二氏とシステム本部企画係長の佐野公章氏

外林グループは、1974年に広島県福山市で菓子卸売業として創業しました。菓子卸売業として流通業界ならびに菓子産業の発展に貢献しています。現在は菓子卸売業を事業の主体としながら、グループ会社で菓子の袋詰め加工や製造、駄菓子専門店の運営、物流なども手掛けています。

近年、製造や小売の事業に取り組み始めた背景には、新たな事業で収益を上げること自体を目的としたものではなく、取引先であるメーカー様や小売店の立場を実際に知ることで、総合菓子卸としての提案力を高めたいという考えがあります。

製造側を経験したことで、「卸からメーカー様にお願いしていることを、メーカー様側ではどのように受け止めているのか」が以前より見えるようになりました。また、小売事業では、商品を揃えるだけでなく、「どう売るか」「どのような売場をつくるか」まで考えることの重要性を実感しました。

こうした経験を通じ、メーカー様とは一方的な関係ではなく、互いに協力して取り組むことが重要であるという考えが、より強くなっています。

「人格」と「社格」を高め、“アドマイヤーカンパニー”へ


外林グループが目指しているのは、皆から賞賛され、「ぜひ働きたい」と思ってもらえる「アドマイヤーカンパニー」です。

会社が大きくなることだけを目標とするのではなく、働く一人ひとりが成長し、「人格」を高めることによって、その集合体である会社の「社格」も高めていく。こうした考え方を大切にしています。

創業者から受け継いだ独創性や現場主義を生かしながら、全員参加型の経営を進め、取引先様からの信頼と従業員の誇りの双方を高めていく。それが、第二の創業期にある外林グループが描く姿です。

30年以上にわたり業務を支える《e-お菓子ねっと》

電話・FAXからオンラインへ。入庫予定データで作業を削減

システム本部企画係長の佐野氏
システム本部企画係長の佐野氏

外林では、創業者の外林久忠相談役が「社員教育とコンピューターシステムへの投資を惜しまない」という考えを持ち、早くから業務のシステム化に取り組んできました。

《e-お菓子ねっと》による発注や出荷報告などのデータ交換も30年にわたり利用しており、現在では業務を支える「当たり前のインフラ」になっています。

特に大きな業務改善につながったのが、入庫予定データの活用です。

以前は仕入伝票をもとに発注データを画面に呼び出して確定入力を行っていましたが、入庫予定データを活用する運用が始まってからは、それらの作業が無くなったことで大きな作業改善に繋がりました。

V1からV2へ。メーカー様の要望に応えられる幅が拡大

 外林では《e-お菓子ねっと》のV2への移行に合わせ、基幹システム側のプログラムもV2用に作り替えました。

V1が256バイト、V2が1200バイトとデータ量そのものが大きく異なるため、移行時には基幹システムの切り替え対応が必要でした。一方で、V1からV2では扱えるデータ項目が大きく増え、伝票ナンバーの桁数なども拡張されています。

その結果、基幹システムとの連携方法やデータの活用方法の選択肢が増え、メーカー様から新たな要望を受けた場合にも対応できる幅が広がりました。V2の仕様に慣れるにつれて作業効率も向上していきました。



基幹システムとの連携で、受発注・経理業務を効率化

取引金額の92%を《e-お菓子ねっと》で発注


直近1年間の発注実績を見ると、《e-お菓子ねっと》を利用している仕入先様は企業数で全体の37%ですが、取引金額では92%を占めています。

《e-お菓子ねっと》を利用していない仕入先様との取引は企業数で63%ありますが、取引金額では8%です。利用されていない仕入先様への発注には、基幹システムで作成した発注データを自動FAXで送信しています。

オンラインで受注データを受け取る仕組みを持たないメーカー様もあるため、FAXを完全になくすことは難しいのが現状です。しかし、取引量の大きい仕入先様とのデータ交換を《e-お菓子ねっと》へ集約することによって、日々の業務を効率化しています。

「自社で正しく計上する」ことで請求・支払時の照合を簡素化

請求・支払業務についても、外林では運用そのものを見直してきました。

以前はメーカー様から届くすべての伝票と、自社で計上した仕入データを経理部門で照合していました。現在は、日々の入荷時に正確に仕入計上することを前提に、自社で計上したデータを正として支払いを行う方法を基本としています。

メーカー様には支払明細を送り、メーカー様側で確認してもらい、差異があった場合に問い合わせを受けて確認する仕組みです。

一部、メーカー様からの請求データや請求書との照合が必要な取引先様は従来の照合作業を残していますが、基本的な考え方を変更することで、経理部門で行っていた照合作業の削減につなげています。

販促金データは便利だからこそ、さらなる標準化を

一部のメーカー様とは「販促金請求/販促金支払データ」も利用しています。

明細の案内や照合にかかる時間を短縮できるほか、データとして保存することで電子帳簿保存法などへの対応にもつながり、正確な情報を双方で交換・管理できることがメリットです。

一方、実際に利用を始めてみると、メーカー様によってプラス・マイナスの符号の扱いや訂正データの考え方などに違いがあり、開始前に個別のすり合わせが必要になるケースもありました。

お金に直接関わるデータだからこそ、メーカー様ごとで異なる仕様へ合わせるのではなく、業界共通のルールやガイドラインがさらに整備されれば、導入しやすくなると期待しています。

業界のスタンダードとして《e-お菓子ねっと》をさらに育てる

利用企業が増えることが、参加企業全体のメリットに

外林では、《e-お菓子ねっと》が菓子業界のスタンダードとしてメーカー様と卸の双方にさらに浸透することが、加盟企業全体のメリットにつながると考えています。

各データ種を企業の基幹システムと連携すれば、単に発注データを送受信するだけではなく、その先の入荷、在庫、経理などの業務改善につなげることもできます。

そのためには、サービスの機能を用意するだけでなく、「どのような機能があり、どう使えば業務改善につながるのか」をより積極的に伝えていくことも重要です。

地域での説明会や情報交換から、利用の輪を広げる

取締役 執行役員システム本部長 吉原氏
取締役 執行役員システム本部長 吉原氏

過去には、外林が地域のメーカー様を集めて《e-お菓子ねっと》の説明会を開催し、普及に取り組んできました。こうした経験を踏まえ、今後は《e-お菓子ねっと》が主体となって、地域での説明会や合同勉強会、情報交換会などを開催し、メーカー様への普及啓発をさらに進めていくことを期待しています。

新たに導入する企業だけでなく、すでに利用している企業同士が集まり、合同勉強会や情報交換会で運用上の課題や工夫を共有することも重要です。

食品業界や他業種のEDIの動きも参考にしながら、新しい仕組みや機能を取り入れ、よりローコストで利用しやすいサービスへ進化していくこと。《e-お菓子ねっと》を「菓子業界みんなで使う仕組み」として育てていくことが、今後さらに重要になりそうです。

企業情報

式会社外林ロゴ

株式会社外林

  • 住所:広島県福山市卸町2-6
    設立:1974年
    資本金:1億円